【弁護士が解説】遺留分でよく問題になること|トラブルを避けるための3つのポイント
皆さま、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の弁護士、野条健人と申します。当事務所は大阪市西区靭本町を拠点に、日々、様々な相続問題に向き合っています。
遺産分割は、相続人全員の話し合いで決めるのが原則です。しかし、被相続人(亡くなった方)が遺言書を残していた場合、その内容が特定の相続人に偏っていると、他の相続人が正当な権利を主張できなくなり、トラブルに発展することがあります。
この時に問題となるのが、**「遺留分」**です。今回は、遺留分を巡ってよく問題になることと、トラブルを避けるための重要なポイントについて、分かりやすく解説します。
1. 遺留分とは?
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められた、最低限の遺産取得分のことです。
例えば、お父様が「全財産を長男に相続させる」という遺言書を残した場合でも、配偶者や他の子どもたちは、法定相続分の2分の1を遺留分として請求する権利があります。遺言書の内容は法律よりも優先されますが、遺留分は遺言書の内容よりも優先される、相続人の「権利」なのです。
2. 遺留分でよく問題になること
遺留分を巡っては、主に以下の3つの点でトラブルが起こりがちです。
問題点①:遺留分の計算方法
遺留分は、法定相続分に基づいて計算されますが、その元となる財産には、被相続人が生前に贈与した財産(特別受益)も含まれます。
- 生前贈与された財産:特定の相続人が生前に多額の贈与を受けていた場合、他の相続人はその贈与分も遺留分算定の対象に含めるよう主張します。この時、「贈与かどうか」「その金額はいくらか」を巡って対立が起こります。
- 不動産の評価額:遺産に不動産が含まれる場合、その評価額を巡って意見が対立することがあります。
問題点②:遺留分を現金で支払えない
遺留分の支払いを求められた場合、支払う義務のある相続人は、金銭で支払うのが原則です。しかし、相続したのが不動産や非上場株式といった換金が難しい財産ばかりで、手元に現金がない場合、遺留分を支払うことができず、トラブルになります。
問題点③:権利行使のタイミング
遺留分侵害額請求権には、時効があります。相続が始まったこと(被相続人が亡くなったこと)と、遺留分が侵害されている事実を知った日から1年以内に行使しなければ、時効によって権利が消滅してしまいます。
この時効の起算点を巡って、争いが起こることがあります。
3. トラブルを避けるための3つのポイント
遺留分トラブルは、事前の対策と専門家への相談で回避できます。
ポイント①:遺言書作成時の配慮
遺言書を作成する際は、安易に特定の相続人に財産を集中させるのではなく、遺留分を侵害しない内容にすることが大切です。特定の相続人に財産を多く相続させたい場合は、その代償として、他の相続人には遺留分に相当する金銭や他の財産を確保するよう配慮しましょう。
ポイント②:公正証書遺言の活用
遺留分を巡るトラブルを避けるためにも、公正証書遺言の作成を強くお勧めします。公正証書遺言は、公証人が関与して作成されるため、形式不備で無効になるリスクがなく、内容が明確で、トラブルになりにくいというメリットがあります。
ポイント③:専門家への早期相談
遺留分を請求したい、または請求されて困っているという場合は、早期に弁護士に相談することが非常に重要です。
弁護士は、遺留分の正確な計算を行い、相手方と冷静に交渉を進めることができます。また、遺留分侵害額請求権の時効にも注意しながら、適切な手続きをサポートします。
当事務所は、大阪の相続問題に精通しており、皆様の不安を「かがりび」のように明るく照らし、納得のいく解決へと導くお手伝いをいたします。
皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

私たちは、大阪市北区(梅田)を拠点に、ご家族にとって大切な「相続」の問題を専門的に取り扱う法律事務所です。
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