相続において、不動産は現金や預金のように簡単に分割できないため、その評価額を巡ってトラブルになりがちです。
相続税を計算する際の評価方法と、遺産分割協議で使うべき評価方法には違いがあります。それぞれの評価方法を知っておくことが、相続トラブルを避けるための第一歩となります。
相続税を計算するための評価方法
相続税を申告する際は、国が定めた以下の評価方法を使います。これらの評価額は、実際の売買価格よりも低いのが一般的です。
1. 土地の評価方法
- 路線価方式 道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額(路線価)に、土地の面積をかけて計算します。主に都市部の土地に用いられ、国税庁のウェブサイトで調べることができます。
- 倍率方式 路線価が定められていない地域の土地の評価に用います。市町村が定める固定資産税評価額に、地域ごとの倍率をかけて計算します。
2. 建物の評価方法
- 固定資産税評価額 建物の評価は、基本的にこの評価額を使います。市町村が固定資産税を計算するために定めたもので、毎年送付される固定資産税の納税通知書で確認できます。
遺産分割協議で使うべき評価方法
遺産分割協議では、相続人全員が納得できる「公平な価値」が重要です。相続税評価額は時価と異なるため、そのまま使うとトラブルになる可能性があります。遺産分割協議では、以下の方法で時価を参考にします。
- 不動産業者による査定 最も手軽な方法で、複数の不動産業者に査定を依頼し、その平均額を参考にします。短期間で目安の金額が分かりますが、あくまで査定のため、業者によって金額にばらつきが出ることがあります。
- 不動産鑑定士による鑑定 専門家である不動産鑑定士に依頼する方法です。鑑定費用はかかりますが、客観的で信頼性が高いため、相続人間で評価額に争いがある場合に有効です。
弁護士が教える、トラブルを避けるためのポイント
不動産の評価を巡るトラブルは、感情的な対立を生みやすく、一度こじれると解決が難しくなります。
- 評価方法を事前に話し合う 遺産分割協議を始める前に、どの方法で不動産を評価するか、相続人全員で合意しておくことが重要です。
- 専門家を交える 不動産の評価は専門的な知識が必要です。弁護士や不動産鑑定士に依頼することで、客観的な根拠に基づいた話し合いができます。
大阪の相続問題に詳しい弁護士法人かがりび綜合法律事務所では、相続不動産の評価から遺産分割まで、お客様の状況に合わせた最適な解決策をご提案します。
不動産の評価でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。

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