相続

弁護士に相談する勇気|お客様の声に寄せて

2025-11-01

弁護士に相談する勇気|お客様の声に寄せて

皆さま、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の代表弁護士、野条健人と申します。当事務所は、大阪市西区靭本町に拠点を置き、日々、様々な法律問題と向き合っております。

弁護士に相談することに、**「敷居が高い」「何を話せばいいかわからない」「怒られるのでは」**といった不安を感じる方は少なくありません。しかし、私たちは、ご依頼者さまが抱える悩みや不安を「かがりび」のように明るく照らし、解決への一歩を踏み出すお手伝いをしたいと願っています。

先日、相続問題や男女問題で悩まれていたご依頼者さまから、温かいお言葉をいただきました。


「野条先生に相談して心が軽になりました。思い切って相談しがいがありました。敷居が低くて話しやすく、解決どころを示してくれることはすごくありがたいです。弁護士さんに相談するのはなかなか気持ち大変でしたが、心が穏やかになりました。今後どういう問題になるか悩ましいところがありますが、この先生に相談して解決していきたいと思います。お困りがあればまた電話してみます。」


このお言葉は、私たちが最も大切にしている理念が、ご依頼者さまに伝わった証であり、弁護士としてこれ以上ない喜びです。

1. 弁護士に相談する「気持ちの大変さ」

ご依頼者さまが仰るように、弁護士に相談することは、とても勇気のいることです。ご自身のプライベートな問題を、見知らぬ他人に話すことへの抵抗、そして「こんなことを相談していいのか」という迷い。こうした気持ちを乗り越えて、一歩踏み出してくださったことに、心から感謝しております。

私たちは、ご依頼者さまの勇気に報いるため、どんなお悩みでも、決して否定することなく、お気持ちに寄り添うことを第一に考えています。お電話一本でも、初回相談だけでも構いません。あなたが抱えている「気持ちの大変さ」を、まずは私たちにお聞かせください。

2. 「敷居の低さ」と「解決への道筋」

法律相談は、難しい言葉が飛び交い、話が通じにくいと感じる方もいらっしゃいます。しかし、私たちは、ご依頼者さまが抱える問題を、ご自身の言葉で語り、私たちがそれを正確に理解することからすべてが始まると考えています。

当事務所は、専門用語を避け、分かりやすい言葉で、問題の核心と解決への道筋を明確にお伝えすることを徹底しています。

  • 何が問題なのか?
  • どのような法的手段があるのか?
  • どのようなリスクや費用がかかるのか?

これらの点を丁寧にご説明することで、「どうすればいいか分からない」という不安を「よし、やってみよう」という前向きな気持ちに変えていきたいと考えています。

3. 「心が穏やかになる」法律相談を目指して

法律問題は、ご依頼者さまの心に大きな負担をかけます。しかし、私たちは、法律相談を終えたときに、ご依頼者さまの心が少しでも穏やかになり、未来への希望を持てるような時間にしたいと願っています。

今回のケースでは、ご依頼者さまが過去に経験された男女問題や相続問題、そして今後の不安についても、じっくりとお話をお伺いしました。その結果、「今後もこの先生に相談して解決していきたい」というお言葉をいただくことができました。

私たちは、一度きりのご縁ではなく、ご依頼者さまの人生の**「かかりつけ弁護士」**として、長期的な信頼関係を築いていきたいと心から願っています。

大阪で法律問題にお困りの方は、どうかお一人で悩みを抱え込まないでください。まずは、お電話かメールで、あなたが抱えているお悩みをお聞かせください。

皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

2025-10-29

【弁護士が解説】特別受益と生命保険|相続における注意点

皆さま、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の弁護士、野条健人と申します。当事務所は大阪で、多くの相続案件を扱ってまいりました。

今回は、相続においてしばしば論点となる「特別受益」と「生命保険金」の関係について、よくあるご質問にお答えしながら解説します。

「特定の兄弟だけが多額の生前贈与を受けているのに、なぜ生命保険金だけは遺産に含めないの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。生命保険金は、一見すると被相続人の財産のように思えますが、法律上は少し異なる扱いを受けます。この記事が、皆さまの疑問解消の一助となれば幸いです。


1. 特別受益とは?

まず、「特別受益」について簡単に説明します。

特別受益とは、共同相続人の中に、被相続人から生前贈与や遺贈によって、特別な利益を受けていた者がいる場合に、その利益を相続財産に持ち戻して(加算して)相続分を計算する制度です。

たとえば、被相続人から生前に不動産を贈与されていたり、大学の学費や結婚資金など、通常よりも多額の援助を受けていたりする場合がこれに該当します。この制度があることで、相続人全員の公平な遺産分割を目指すことができます。

2. 生命保険金は「特別受益」にあたるのか?

結論から申し上げますと、原則として、生命保険金は特別受益にはあたりません。

なぜなら、生命保険金は、民法で定められている遺産相続の対象となる「相続財産」ではないからです。

生命保険契約は、保険契約者と保険会社の間で交わされる契約であり、保険金は、被保険者(亡くなった方)の死亡によって、指定された保険金受取人(通常は相続人)が直接、保険会社から受け取る固有の財産とされています。これは、被相続人の財産が相続人に受け継がれる「相続」とは異なる仕組みなのです。

そのため、被相続人が亡くなった時点で相続財産目録を作成する際にも、生命保険金は原則として記載しません。

3. 例外:特別受益に「準ずる」とみなされる場合

原則は特別受益ではない生命保険金ですが、例外的に、**「特別受益に準ずる」**と判断されるケースがあります。これは、相続人全員の間の公平性を著しく害する場合に、裁判所の判断によって認められることがあります。

具体的には、以下のような事情が総合的に考慮されます。

  • 保険金の額が、相続財産全体に比べて著しく高額であること
    • 例:相続財産が1,000万円しかないのに、特定の相続人が保険金として8,000万円を受け取った場合
  • 特定の相続人だけが多額の保険金を受け取っており、他の相続人が全く受け取っていない、または極めて少額であること
  • 相続人全体の生活状況や、被相続人との関係など、個別の事情

これらの要素を総合的に判断し、あまりにも不公平であると認められる場合に限り、生命保険金も特別受益に含めて計算される可能性があります。ただし、どのような場合に特別受益に準ずると判断されるかは非常に専門的な判断が必要であり、過去の判例でも個々のケースによって判断が分かれています。

4. トラブルを避けるためのポイント

生命保険金が原因で相続トラブルに発展しないためには、以下の点を考慮しておくことが大切です。

1. 生命保険金の額と他の財産とのバランスを考える

生命保険は、被相続人の想いを反映できる有効な財産形成手段ですが、特定の相続人に過度に偏った金額を設定すると、後々のトラブルの原因になりかねません。特に、相続財産の大半が生命保険金となるような場合は注意が必要です。

2. 遺言書で意思を明確にする

被相続人が生前に、なぜ特定の相続人を保険金受取人に指定したのか、他の相続人にはどうしてほしいのかを遺言書に明記しておくことで、争いを未然に防ぐことができます。

3. 専門家である弁護士に相談する

生命保険金が特別受益に準ずるかどうかの判断は、非常に難解です。もし、兄弟間で受け取った保険金の額に納得がいかない、公平ではないと感じる場合は、一人で悩まずに弁護士にご相談ください。弁護士は、法律に基づいた客観的な視点から、個別の事情を丁寧に分析し、適切な解決策をご提案します。


お悩みなら、弁護士法人かがりび綜合法律事務所へご相談ください

「兄弟だけが多額の生命保険金を受け取ったけど、これは不公平なのでは?」「遺産分割でどう主張すればいいか分からない」といったお悩みを抱えていらっしゃる方は、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。

当事務所は、大阪の相続問題に精通した弁護士が、皆さまのお悩みに寄り添い、公正な解決を目指してまいります。

初回のご相談は無料です。お一人で悩まず、まずは私たち弁護士にご相談ください。皆様の不安を「かがりび」のように明るく照らし、解決への道筋を共に探してまいります。

弁護士法人かがりび綜合法律事務所

【解決事例】遺産使い込みの誤解を解く|客観的証拠で公正な遺産分割を実現した事例

2025-10-27

【解決事例】遺産使い込みの誤解を解く|客観的証拠で公正な遺産分割を実現した事例

皆さま、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の弁護士、野条健人と申します。当事務所は大阪市西区靭本町に拠点を置き、日々、様々な相続問題に向き合っています。

相続において、被相続人と同居していた相続人が「遺産を使い込んだ」と疑われるケースは少なくありません。しかし、その多くは、故人の生活費や医療費など、正当な理由による支出です。今回は、実際に当事務所が扱った、このような**「使い込みの誤解」を解き、公正な遺産分割を実現した事例**をご紹介します。


事案の概要

ご依頼者様は、お父様が亡くなった後、遺産分割協議を進めていましたが、相手方である他の相続人から「お父様の遺産を使い込んだ」と強く疑われていました。

ご依頼者様はお父様と同居しており、お父様の生活費や医療費、老人ホームの施設費などを管理していたため、他の相続人から不自然な出金があったと指摘されていました。しかし、ご依頼者様は「使い込みなどしていない」と主張されていました。


当事務所の対応

ご依頼者様の主張が正しいことを証明するため、当職は以下の対応を行いました。

  1. 長期にわたる出金履歴の徹底調査 まず、ご依頼者様からお父様の預金通帳をお預かりし、お父様の生前の長期間にわたるすべての出金履歴を詳細に確認しました。
  2. 客観的な裏付け証拠の収集と整理 相手方から指摘されるであろう不自然な出金について、そのすべてに正当な理由があることを証明するため、客観的な資料の収集と整理を行いました。
    • 老人ホームの施設費: 施設からの請求書や領収書などを集め、出金日と金額が一致することを証明しました。
    • 医療費: 病院からの請求書や領収書、薬局のレシートなどを集め、治療費や薬代として支払われたことを証明しました。
    • 生活費: 日々の食費や日用品の購入費用など、詳細な支出内容について、可能な限りレシートや領収書を基に説明資料を作成しました。

解決までの道のり

これらの詳細な裏付け証拠と事情説明を準備し、相手方との交渉に臨みました。

当初、相手方は強く疑念を抱いていましたが、当職が提示した客観的な資料と論理的な説明によって、次第にその疑念は解消されていきました。

その結果、大半の出金については、お父様の生活に必要な正当な支出であることを認めてもらうことができ、無事に遺産分割の合意をすることができました。


この事例から学ぶべきこと

この事例は、「同居している」というだけで「遺産を使い込んだ」と疑われてしまうリスクがあることを示しています。もし、あなたが被相続人の介護や財産管理を行っていた場合、以下の点を事前に意識しておくことが大切です。

  1. 日頃から支出の記録を残す 現金で支払った場合でも、何にいくら使ったか、レシートや領収書を保管しておくことが重要です。
  2. 他の相続人との情報共有 定期的に預金通帳のコピーを渡すなど、日頃から財産管理の状況を共有することで、不信感の芽を摘むことができます。
  3. 専門家への相談をためらわない もし、あなたが使い込みを疑われ、話し合いが感情的になってしまった場合は、一人で抱え込まずに、早期に弁護士にご相談ください。弁護士は、公平な第三者として、客観的な証拠に基づいた冷静な交渉をサポートします。

当事務所は、大阪の相続問題に精通しており、ご依頼者様の不安な気持ちに寄り添いながら、最適な解決策をご提案します。

皆様の不安を「かがりび」のように明るく照らし、納得のいく解決へと導くお手伝いをいたします。

弁護士法人かがりび綜合法律事務所

  • 所在地: 〒550-0004 大阪府大阪市西区靭本町1-4-17 ACN信濃橋ビル2階
  • 電話番号: 06-6479-3766
  • 受付時間: 平日 9:00~20:00、土日祝 9:00~19:00

皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

【解決事例】遺産使い込み|兄の独断を正し、1200万円の公正な分配を実現

2025-10-25

【解決事例】遺産使い込み|兄の独断を正し、1200万円の公正な分配を実現

皆さま、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の弁護士、野条健人と申します。当事務所は大阪市西区靭本町を拠点に、日々、様々な相続問題に向き合っています。

相続トラブルの中でも、特に深刻なのが「遺産の使い込み」です。被相続人(亡くなった方)の財産を、特定の相続人が勝手に私的な用途に使ってしまうと、他の相続人は「なぜ自分だけが損をしなければならないのか」と不公平感を抱き、激しい対立に発展することがあります。

今回は、当事務所が実際に手掛けた事例の中から、兄による遺産の使い込みを正し、1200万円もの財産を公正に分配した解決事例をご紹介します。


事案の概要

ご依頼者様は60代の専業主婦の方で、お父様の遺産相続についてご相談にいらっしゃいました。

お父様の財産管理は、ご依頼者様の兄が担当していました。しかし、お父様の死後、財産の内訳を確認したところ、兄が被相続人であるお父様のお金を私的に使い込んでいたことが判明しました。ご依頼者様は、兄の独断によって、公正な遺産分割が行われないのではないかと強い不安を抱いていました。

当事務所の対応

ご依頼者様のご希望は、使い込まれた財産を取り戻し、すべての相続財産を適正に分配することでした。

当職は、まずご依頼者様からお父様の財産に関するすべての情報を丁寧にヒアリングしました。そして、兄が管理していた財産について、詳細な評価と調査に着手しました。

  1. 遺産の全容を正確に把握 兄が管理していた現金や預貯金の口座をすべて特定し、取引履歴を徹底的に精査しました。
  2. 使い込みの事実を特定 取引履歴の中から、お父様のために使われたとは考えにくい、使途不明な支出を一つひとつ特定していきました。これにより、兄による遺産の使い込みの事実が明確になりました。
  3. 法的根拠に基づく交渉 集めた証拠を基に、兄に対して使い込みの事実を指摘し、法律に基づいた公正な遺産分割を求めました。当職が代理人として交渉することで、感情的な対立を避け、冷静な話し合いを進めることができました。

解決までの道のり

兄は、当初は使い込みの事実を否定していましたが、当職が提示した客観的な証拠を前に、最終的には使い込みを認めざるを得ない状況となりました。

交渉の結果、兄は使い込んだ遺産を補填することに合意。結果として、総額1200万円もの財産を遺産に加算し、ご依頼者様との間で公正な遺産分割を達成することができました。ご依頼者様は、ご自身の正当な権利が守られたことに大変ご満足されました。


この事例から学ぶべきこと

遺産の使い込みは、大切な家族間の信頼を大きく損なう問題です。この事例は、泣き寝入りせずに、専門家の力を借りて正当な権利を主張することの重要性を示しています。

もし、あなたも「家族に遺産を使い込まれているかもしれない」と不安に感じているなら、まずは以下のことを検討してみてください。

  • 専門家への早期相談: 遺産の使い込みは、証拠の収集が不可欠です。時間とともに証拠が失われるリスクがあるため、早期に弁護士に相談することが非常に重要です。
  • 客観的な証拠収集: 弁護士は、銀行口座の履歴調査など、法的根拠に基づいた証拠収集をサポートします。

当事務所は、大阪の相続問題に精通しており、ご依頼者様の不安な気持ちに寄り添いながら、最適な解決策をご提案します。皆様の不安を「かがりび」のように明るく照らし、納得のいく解決へと導くお手伝いをいたします。

弁護士法人かがりび綜合法律事務所

  • 所在地: 〒550-0004 大阪府大阪市西区靭本町1-4-17 ACN信濃橋ビル2階
  • 電話番号: 06-6479-3766
  • 受付時間: 平日 9:00~20:00、土日祝 9:00~19:00

皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

【弁護士が解説】遺産の使い込みを立証する方法|重要な証拠と解決までの流れ

2025-10-22

【弁護士が解説】遺産の使い込みを立証する方法|重要な証拠と解決までの流れ

皆さま、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の弁護士、野条健人と申します。当事務所は大阪市西区靭本町を拠点に、日々、様々な相続問題に向き合っています。

相続トラブルの中でも、最も感情的な対立が深まりやすいのが「遺産の使い込み」です。特定の相続人が親の預貯金を勝手に引き出したり、使途不明な支出があったりした場合、その事実を突き止め、返還を求めるには、徹底した**「立証活動」**が不可欠です。

今回は、遺産の使い込みを立証するための具体的な方法と、重要な証拠について分かりやすく解説します。


1. 遺産の使い込みを立証する上で重要なこと

遺産の使い込みがあったと主張する場合、裁判や交渉の場で以下の2つの事実を証明する必要があります。

  1. 被相続人の財産が、不自然に減少したこと
  2. その減少は、使い込みを疑う特定の相続人が行ったこと

相手は「親の生活費に使った」「親に頼まれて引き出した」などと主張してくることが多いため、それを覆す客観的な証拠を集めることが何より重要になります。

2. 使い込みの立証に不可欠な証拠

まずは、使い込みが疑われる事実を客観的に裏付ける証拠を、できる限り多く集めましょう。

証拠①:預貯金口座の取引明細書

遺産使い込みを立証する上で、最も重要な証拠です。

使い込みが疑われる時期の取引履歴を金融機関から取得し、以下の点を徹底的に調査します。

  • 不自然な高額の引き出しがないか。
  • 引き出しの頻度や金額が、被相続人の通常の生活状況と合っているか。
  • 親の死亡前後に多額の現金が引き出されていないか。

もし、ご自身の手元に通帳やキャッシュカードがない場合でも、相続人であれば金融機関に取引履歴の開示を求めることができます。

証拠②:払戻請求書や振込依頼書の控え

取引明細で不審な出金が見つかった場合、金融機関が保管している払戻請求書振込依頼書の控えを取得しましょう。

これにより、誰が、どのような筆跡で手続きを行ったかを確認することができます。もし筆跡が被相続人のものではなく、使い込みを疑う相続人のものであれば、決定的な証拠となります。

証拠③:被相続人の健康状態を示す記録

被相続人の健康状態を示す以下の記録は、使い込みの**「動機」や「可能性」を裏付ける**重要な証拠となります。

  • 介護記録:介護サービスを利用していた時期の記録。
  • 医療記録(カルテ、診断書など):被相続人の認知症の診断や、入院していた時期の記録。

例えば、被相続人が入院中で自ら銀行に行くことが物理的に不可能であったり、認知症が進行して金銭管理が難しい状態であったりする時期に、多額の出金がされていれば、使い込みの可能性が非常に高いと判断されます。

証拠④:その他の間接的な証拠

他にも、使い込みを裏付ける証拠となりうるものは多岐にわたります。

  • 防犯カメラの映像:金融機関のATMや窓口での引き出し時の映像。
  • 家計簿や領収書:被相続人の実際の生活費や、介護費用の内訳を示すもの。
  • 親族や介護士の証言:お金の流れや被相続人の生活状況に関する証言。

3. 立証活動と解決までの流れ

  1. 徹底的な証拠収集 まずは、ご自身で可能な範囲で証拠を集めます。弁護士に依頼すれば、弁護士会照会制度などを活用し、より効率的かつ網羅的に証拠を収集することが可能です。
  2. 相手との交渉 集めた証拠を基に、相手に対し、使い込みの事実を指摘し、返還を求めます。この際、弁護士が第三者として間に入ることで、感情的な対立を避け、冷静な話し合いを進められます。
  3. 訴訟による解決 話し合いで合意に至らない場合、家庭裁判所に不当利得返還請求訴訟などを提起します。裁判では、集めた証拠をもとに、弁護士が法律に基づいた主張を組み立て、使い込みの事実を証明します。

遺産の使い込みは、決して諦めるべき問題ではありません。しかし、法的な知識や証拠収集のノウハウがなければ、解決は困難を極めます。

もし、ご家族による遺産の使い込みが疑われる場合は、お一人で悩まず、まずは私たち弁護士にご相談ください。皆様の不安を「かがりび」のように明るく照らし、納得のいく解決へと導くお手伝いをいたします。


弁護士法人かがりび綜合法律事務所

  • 所在地: 〒550-0004 大阪府大阪市西区靭本町1-4-17 ACN信濃橋ビル2階
  • 電話番号: 06-6479-3766
  • 受付時間: 平日 9:00~20:00、土日祝 9:00~19:00

皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

【弁護士が解説】医師の相続問題|特別な財産とトラブルを避ける方法

2025-10-20

【弁護士が解説】医師の相続問題|特別な財産とトラブルを避ける方法

皆さま、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の弁護士、野条健人と申します。当事務所は大阪市西区靭本町に拠点を置き、日々、様々な相続問題に向き合っています。

医師の方の相続は、一般の相続とは異なる特別な問題が生じやすい傾向にあります。診療所や医療法人、高額な医療機器、そして医師という専門職ならではの財産が、遺産分割を複雑にし、トラブルの原因となることがあるからです。

今回は、医師の相続における特有の問題点と、それを未然に防ぐための対策について、分かりやすく解説します。


1. 医師の相続で問題になりやすい「特別な財産」

医師の相続財産は、通常の現金や不動産に加えて、以下のような専門性の高い財産が含まれることが多く、その評価や分割が大きな課題となります。

問題点①:診療所や医療法人の承継

被相続人が個人事業主として診療所を経営していた場合、診療所の土地・建物、医療機器、什器備品、そして患者データや医療債権といった事業用財産が相続財産となります。

これらは、特定の相続人が事業を承継しない限り、その価値をどのように評価し、他の相続人とどう分けるかが大きな問題となります。相続人全員で共有すると、事業の継続に支障をきたすため、代償分割や換価分割といった複雑な手続きが必要となります。

また、医療法人の社員権は、出資額に応じて価値が変動し、その評価には専門的な知識が不可欠です。

問題点②:医療機器や医薬品の評価

高額な医療機器や医薬品の在庫は、相続税評価額と実際の市場価値が異なることが多く、相続人同士で評価額に合意できないことがあります。

特に、新しい医療機器ほど価値が高いため、特定の相続人がこれを単独で承継する場合、他の相続人との間で不公平感が生まれやすいです。

問題点③:高額な生命保険金や退職金

医師は一般的に収入が高いため、多額の生命保険に加入しているケースが多いです。また、勤務医の場合、高額な退職金が支払われることもあります。

これらの財産は、特定の相続人が受け取ることが多く、他の相続人から「特別受益」として遺産に含めるべきだと主張され、トラブルになることがあります。


2. 医師の相続トラブルを避けるための対策

これらの問題を未然に防ぐためには、生前から計画的な相続対策を講じることが最も重要です。

対策①:遺言書による事業承継者の明確化

医療事業を特定の相続人に承継させたい場合は、遺言書を作成し、その意思を明確にしておくことが不可欠です。

遺言書に「診療所(医療法人)のすべての財産は、事業を継承する〇〇に相続させる」と明記しておくことで、事業の継続を確実なものにできます。他の相続人には、遺留分に配慮した上で、他の財産を相続させる内容にすることで、公平な分割を目指します。

対策②:専門家と連携した財産評価

診療所や医療法人の事業用財産、医療機器などの評価には、公認会計士や税理士といった専門家の協力が不可欠です。

生前から専門家に相談し、事業の現状を正確に把握した上で、適切な財産評価を行い、それを基に遺言書の内容を検討することが重要です。

対策③:遺言執行者の指定

遺言書の内容を円滑に実行するためには、「遺言執行者」を指定しておくことを強くお勧めします。

遺言執行者は、被相続人の意思に基づき、遺産を適切に分割し、名義変更などの手続きを行う権限を持ちます。特に、利害関係のない弁護士を遺言執行者に指定することで、相続人同士の対立を避け、円満な相続を実現できます。


3. お悩みなら、まずは弁護士法人かがりび綜合法律事務所へ

医師の相続問題は、複雑で専門的な知識が不可欠です。

「親の診療所をどうすればいいか分からない」「高額な医療機器の評価額で揉めている」といったお悩みをお持ちの方は、お一人で悩まずに、ぜひ一度、私たち弁護士にご相談ください。

当事務所は、大阪の事業承継や相続問題に精通しており、皆様の不安を「かがりび」のように明るく照らし、納得のいく解決へと導くお手伝いをいたします。

弁護士法人かがりび綜合法律事務所

  • 所在地: 〒550-0004 大阪府大阪市西区靭本町1-4-17 ACN信濃橋ビル2階
  • 電話番号: 06-6479-3766
  • 受付時間: 平日 9:00~20:00、土日祝 9:00~19:00

皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

弁護士野条健人の相続ブログ|「実家を一人で相続したい!」お悩みを解決した3000万円獲得事例

2025-10-18

弁護士野条健人の相続ブログ|「実家を一人で相続したい!」お悩みを解決した3000万円獲得事例

こんにちは。弁護士の野条健人です。 今回のブログでは、私がこれまでに扱ってきた相続案件の中から、特に多くのご依頼者様が抱える**「実家の相続」**について、具体的な解決事例をご紹介します。

「親が残してくれた実家を、このまま守り続けたい」 「でも、兄弟にどう話せばいいのか分からない…」

そんなお悩みをお持ちの方は、決して少なくありません。 特に、実家が相続財産の大部分を占める場合、その分割をめぐってご家族の対立が深まってしまうことがあります。

今回は、私が税理士と連携し、依頼者様のご希望を叶えた事例を通して、その解決策をお伝えします。


事例紹介:自宅不動産の単独相続を希望した40代男性のケース

今回の依頼者である男性は、お父様が亡くなった後、私たちにご相談にいらっしゃいました。 お父様が遺された主な財産は、以下の2つでした。

  • 自宅不動産(遺産全体の約60%)
  • 預貯金・有価証券(遺産全体の約40%)

法定相続人は、ご依頼者様と、お姉様の2人です。 ご依頼者様は、生前お父様と同居されており、これからもこの家に住み続けたいと強く希望されていました。

しかし、お姉様との遺産分割協議が難航する可能性を懸念されていました。 「姉は実家に住む予定がないから、公平に分割してほしいと主張するだろう…」 「もし自宅を売却することになったら、どうしよう…」

ご依頼者様は、不動産を単独で相続し、ご自身の希望を叶えたいという思いから、私たちにご依頼くださいました。

弁護士の対応:税理士との連携が鍵を握る

ご依頼を受けた私は、まずご依頼者様の財産全体の状況を把握しました。 そして、この案件の解決には、法律的なアプローチだけでなく、税務の専門家である税理士との連携が不可欠だと判断しました。

相続税の申告を担当する税理士と協議を重ねた結果、驚くべき事実が判明しました。 **「小規模宅地等の特例」**という税制優遇措置を適用すれば、ご依頼者様が自宅不動産を相続することで、相続税の評価額を大幅に減額できることが分かったのです。

この特例は、被相続人と同居していた相続人が自宅を相続する場合に適用されることが多く、節税効果が非常に高いものです。 つまり、この自宅を売却して現金で分け合うよりも、ご依頼者様が単独で相続した方が、ご家族全体の税負担が軽くなるということが明らかになったのです。

早期解決の成功:遺産分割調停を経ずに希望を実現

私たちは、税理士と連携して作成した「自宅を依頼者様が相続することが、ご家族全員にとって最もメリットが大きい」という説得力のある資料を準備しました。 そして、その資料を基に、お姉様との遺産分割協議に臨みました。

当初、お姉様は「公平に現金で分けたい」と主張していましたが、私たちが丁寧に説明し、以下の点を明確に伝えました。

  • ご依頼者様が自宅を相続することで、ご家族全体の相続税が大幅に節税できること
  • ご依頼者様が代償金として、預貯金・有価証券の大部分をお姉様に渡すこと
  • 相続税申告には期限があり、早期に協議をまとめる必要があること

税理士の専門的な知見と、私たちの粘り強い交渉の結果、お姉様は、ご依頼者様の提案に納得してくれました。 結果として、家庭裁判所の家事調停の手続きを経ることなく、わずか相続税申告期限の6ヶ月以内に、遺産分割協議を成立させることができました。

依頼者様は、ご自身の希望通り、自宅を単独で相続することができ、3000万円以上の経済的利益を確保されました。

相続問題、専門家の連携が力強い味方となります

今回の事例は、相続問題の解決において、弁護士と税理士の連携がいかに重要かを示す良い例です。 遺産の分割方法一つで、税金の負担額が大きく変わることがあります。

「実家を守りたい」という想いがあっても、それをどう実現すればいいのか分からず、諦めてしまう方もいらっしゃいます。 しかし、私たちは、ご依頼者様の想いを尊重し、法的な知識だけでなく、税務の観点も踏まえて、最適な解決策をご提案します。

相続問題でお悩みでしたら、一人で抱え込まず、まずは一度ご相談ください。 私たちは、あなたの力強い味方となり、ご希望の未来を実現するために、全力でサポートいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

弁護士法人かがりび綜合法律事務所 弁護士 野条 健人



弁護士野条健人の相続ブログ|【公正証書遺言の無効】遺言書の無効を確認し、1000万円超の代償金を獲得した事例

こんにちは。弁護士の野条健人です。 今回のブログでは、遺言書が存在するにもかかわらず、その遺言書が無効だと判断され、遺産分割協議が必要になった事例をご紹介します。

「遺言書があるから大丈夫」 そう思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、遺言書の内容や形式によっては、かえってトラブルの原因になってしまうことがあります。


事例:公正証書遺言の無効が争点となったケース

今回の事例は、ご両親が公正証書遺言を作成されていたケースです。 公正証書遺言は、公証人が作成するため、通常は法的に有効性が高いものです。

しかし、ご両親が作成された公正証書遺言には、**「判断能力の低下」**という大きな問題がありました。 遺言書作成当時、ご両親はすでに重い認知症を患っており、ご自身で判断することが困難な状況でした。


弁護士の対応と結果

私たちは、ご両親の医療記録や介護記録を徹底的に調査し、遺言書作成時の精神状態を証明する証拠を集めました。 そして、その証拠を基に、**「この公正証書遺言は、ご両親が判断能力を失っていた時に作成されたものであり、無効である」**と主張しました。

【弁護士が解説】株式会社の相続問題|株式や事業承継で揉めないための解決策

2025-10-15

【弁護士が解説】株式会社の相続問題|株式や事業承継で揉めないための解決策

皆さま、こんにちは。弁護士法人かがりび綜合法律事務所の弁護士、野条健人と申します。当事務所は大阪市西区靭本町を拠点に、日々、様々な相続問題に向き合っています。

相続財産に「株式会社の株式」が含まれている場合、一般的な相続とは異なる複雑な問題が生じることが多々あります。特に、親が社長を務める会社の株式を相続する場合、会社の将来や経営権が絡むため、感情的な対立が深まり、深刻なトラブルに発展することがあります。

今回は、株式会社の株式を巡る相続問題と、そのリスクを回避するための解決策について、分かりやすく解説します。


1. なぜ株式会社の相続はトラブルになりやすいのか?

株式会社の株式は、単なる財産ではなく、会社の「経営権」を左右するものです。そのため、相続人同士でその評価や承継方法を巡って意見が対立しやすいのです。

問題点①:株式の評価が困難

特に非上場株式の場合、市場価格がないため、その価値をどのように評価するかで揉めることがほとんどです。評価方法には、会社の資産や収益などを基に計算する複数の方式があり、どの方式を用いるかで評価額が大きく変わります。

問題点②:経営権の分散

株式を法定相続分に応じて均等に分割すると、会社の経営権が複数の相続人に分散してしまいます。これにより、経営に関する意思決定が滞ったり、議決権争いが生じたりして、会社の運営に支障をきたす恐れがあります。

問題点③:株式の換金が難しい

相続した株式は、上場株式と違ってすぐに現金化することができません。株式を相続したい相続人と、現金で公平に分けたい他の相続人との間で、意見の対立が生まれやすくなります。


2. 株式をめぐる相続トラブルを避けるための解決策

株式会社の株式を巡る相続トラブルを避けるためには、事前の対策が何よりも重要です。

対策①:遺言書で事業承継者を明確にする

最も有効な手段は、被相続人(会社の社長)がご存命のうちに遺言書を作成し、「株式のすべてを事業を継承する〇〇に相続させる」と明確に意思表示しておくことです。

遺言書には、他の相続人には遺留分に配慮した上で、株式の代わりに現金や不動産を相続させるなど、公平性を保つための内容も盛り込んでおきましょう。

対策②:事業承継信託や株式の生前贈与

会社の事業承継をより確実に実行したい場合は、事業承継信託という方法もあります。これは、専門家(受託者)に株式を信託することで、会社の議決権行使権を承継者に集中させ、スムーズな事業運営を可能にする仕組みです。

また、非上場株式の評価額が低い時期に、計画的に後継者となる相続人に株式を生前贈与することも有効な対策の一つです。

対策③:遺産分割協議で代償分割を利用する

もし遺言書がない場合は、遺産分割協議で解決を図ります。事業を継ぐ相続人が株式をすべて取得し、その代償として、自己資金から他の相続人へ金銭を支払う「代償分割」が、最も現実的な解決策です。

この際、株式の適正な評価額を算定するため、公認会計士や弁護士といった専門家と連携することが不可欠です。


3. お悩みなら、まずは弁護士法人かがりび綜合法律事務所へ

株式会社の株式を巡る相続は、会社の未来、ひいては家族の生活に直結する重大な問題です。

もし、株式の評価や事業承継をめぐって、ご家族間で話し合いが進まない場合は、お一人で抱え込まずに、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。

当事務所は、大阪の事業承継や相続問題に精通しており、皆さまの状況に合わせた最適な解決策をご提案します。皆様の不安を「かがりび」のように明るく照らし、納得のいく解決へと導くお手伝いをいたします。

弁護士法人かがりび綜合法律事務所

  • 所在地: 〒550-0004 大阪府大阪市西区靭本町1-4-17 ACN信濃橋ビル2階

弁護士が教える!お墓の相続、どうしたらいい?

2025-10-11

弁護士が教える!お墓の相続、どうしたらいい?


家族が亡くなった後、お墓はどうなるの?

家族が亡くなった後、悲しみに暮れる間もなく、葬儀や相続の手続きに追われることになります。その中でも、多くの方が「お墓をどうするか」という問題に直面します。

「誰がお墓を継ぐの?」 「遠方に住んでいて、お墓を守っていくのが難しい…」 「お墓の費用は誰が払うの?」

お墓は、故人の魂が安らかに眠る場所であり、家族の絆を象徴する大切なものです。しかし、法律的な手続きや費用負担の面では、思わぬトラブルに発展する可能性も秘めています。

この記事では、お墓の相続について、法律的な側面から分かりやすく解説し、皆さんが安心して手続きを進められるよう、具体的なアドバイスを提供します。


法律上のお墓の「持ち主」は誰?

実は、お墓や仏壇、位牌といった祭祀に関する財産は、民法上、一般的な「相続財産」とは異なる扱いになります。

  • 相続財産:預貯金や不動産など、遺産分割の対象となる財産。
  • 祭祀財産:祭祀(祖先の霊を祀ること)のために使われる財産(墓地、墓石、仏壇、仏具、位牌など)。

法律上、祭祀財産は、遺産分割協議の対象にはなりません。その代わり、**「祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)」**と呼ばれる特定の人が引き継ぐことになります。

祭祀承継者はどうやって決めるの?

祭祀承継者は、以下の3つの方法で決まります。

  1. 被相続人(故人)が指定する:故人が生前に、遺言書や口頭で誰に祭祀を継いでほしいか指定していた場合、その人が承継者になります。
  2. 慣習に従って決める:故人の指定がない場合は、地域の慣習や親族間の慣習に従って決めます。
  3. 家庭裁判所が決める:上記2つの方法でも決まらない場合、相続人や利害関係者が家庭裁判所に申し立てて、承継者を決めてもらうことになります。

「長男だから」という理由だけで当然に祭祀承継者になるわけではありません。故人の意思や、現実にお墓を守っていくことができるかどうかが重要になります。

お墓の相続でよくあるトラブル

お墓の承継は、お金の問題だけでなく、故人への想いや家族の人間関係が深く絡み合うため、トラブルに発展しやすい傾向があります。

1. 「お墓は長男が継ぐべき」という思い込み

昔からの慣習で、「お墓は長男が継ぐもの」と考える方は少なくありません。しかし、長男が遠方に住んでいたり、仕事の都合でお墓参りや管理が難しかったりする場合、承継者としての役割を果たすのが困難になります。

このような場合、「長男が継げないなら、誰がやるんだ」と他の兄弟姉妹に負担を押し付けたり、逆に「お墓は面倒だからいらない」という意見が出たりして、感情的な対立が深まることがあります。

2. 管理費用や永代使用料をめぐる争い

お墓を維持していくには、管理費用や永代使用料がかかります。 「お墓を継ぐのは長男だけど、費用はみんなで公平に分担すべきだ」 「祭祀承継者になったのだから、費用もすべて一人で負担すべきだ」

このように、費用負担をめぐって意見が対立することがあります。法律上、お墓の管理費用は祭祀承継者が負担することになりますが、実際には話し合いで決めるケースがほとんどです。

3. お墓を「いらない」と言われたらどうする?

「お墓が遠方にあって、管理が大変だから墓じまいをしたい」 「そもそもお墓は必要ない、自分は散骨を望む」

このような意見を持つ相続人がいる場合、話はさらに複雑になります。お墓の承継者が決まっても、墓じまいや改葬(お墓を移すこと)には、墓地の管理者の承諾や行政手続きが必要になります。

一部の相続人だけが勝手に手続きを進めてしまい、後から他の相続人とのトラブルに発展するケースも少なくありません。

弁護士がお墓の相続をサポートできること

お墓の相続は、単なる法律問題ではなく、家族間のデリケートな問題です。弁護士に依頼することで、感情的な対立を避け、冷静に解決へと導くことができます。

1. 祭祀承継者の選任をサポート

故人が祭祀承継者を指定していなかった場合や、相続人同士で意見が対立している場合、弁護士が間に入って話し合いを仲介します。 もし話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所への**「祭祀承継者指定の調停・審判」**の申し立てを代理し、法的な手続きを進めます。

2. 墓じまいや改葬の手続きをサポート

お墓の場所が遠い、管理が大変といった理由で「墓じまい」を検討する方も増えています。 墓じまいには、墓地の管理者との交渉や、行政手続き(改葬許可申請など)が必要です。弁護士は、これらの手続きをスムーズに進めるためのサポートを行います。 また、他の相続人との合意形成を図るための交渉も代行し、後々のトラブルを防ぎます。

3. 費用負担に関する交渉をサポート

「お墓の管理費用を誰がどれくらい負担するか」という問題は、当事者同士だけでは解決が難しいものです。 弁護士は、過去の判例や一般的な慣習をふまえ、公平な費用負担の方法を提案します。感情的な議論になりがちな金銭問題を、冷静な話し合いへと導きます。

4. 遺産分割協議とセットで進める

お墓の問題と、預貯金や不動産といった遺産分割は、一見関係ないように思えますが、実は密接に関連しています。 「お墓の管理費用を負担する代わりに、遺産を多めに受け取る」といった、柔軟な解決策を提案することも可能です。 弁護士は、遺産分割協議全体を俯瞰し、お墓の問題も含めた包括的な解決を目指します。


墓じまいと改葬、知っておきたいこと

近年、お墓の承継問題から、**「墓じまい」**を検討する方が増えています。 墓じまいとは、現在あるお墓を撤去し、遺骨を取り出して、墓地を管理者に返還することです。

墓じまいをする場合、取り出した遺骨を別の場所に移す**「改葬」**が必要になります。

改葬の方法は?

  • 新しいお墓を建てる:別の霊園にお墓を新設する。
  • 納骨堂に納める:寺院や霊園が管理する納骨堂に遺骨を預ける。
  • 樹木葬や散骨を選ぶ:自然に還す方法を選ぶ。

どの方法を選ぶにしても、家族や親族の理解を得ることが非常に重要です。トラブルを避けるためにも、弁護士にご相談いただき、適切な手続きを踏むことを強くお勧めします。


専門家への相談が、円満な解決への第一歩

お墓の相続は、法律的な知識だけでなく、家族の想いを尊重する気持ちが不可欠です。 「お墓をどうするか、誰に相談したらいいか分からない」 「家族で話し合っているけど、どうしても意見がまとまらない」

もし、このような状況に直面したら、一人で悩まずに弁護士にご相談ください。 私たち弁護士は、あなたの心の負担を軽減し、ご家族皆さまが納得できる形で、大切な故人の想いを未来につないでいくお手伝いをします。

お墓の相続は、ご家族の絆を見つめ直す大切な機会でもあります。 円満な解決に向けて、ぜひ私たちにご相談ください

弁護士が教える!株式の相続、どうしたらいい? やさしく解説

2025-10-04

弁護士が教える!株式の相続、どうしたらいい? やさしく解説


親から受け継ぐ「株式」、そのままで大丈夫?

相続と聞くと、多くの人が「実家や土地」「預金」を思い浮かべるかもしれません。しかし、最近は株式を所有している方も増えています。いざ相続が始まると、「故人が株を持っていたらしいけど、どうすればいいの?」と戸惑ってしまう方が少なくありません。

株式の相続は、預貯金とは少し違う、いくつかの注意点があります。 この記事では、株式を相続することになった方が、安心して手続きを進められるよう、分かりやすく解説していきます。


株式の相続で知っておきたいこと:3つのポイント

まず、株式の相続には、大きく分けて3つのステップがあります。

  1. 株式を「見つける」
  2. 株式を「評価する」
  3. 株式を「分ける」

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

1. 株式を「見つける」

故人がどの証券会社と取引をしていたか、きちんと把握していますか? 「自宅に届いた郵送物」や「パソコンの履歴」など、まずは手がかりを探すことから始めましょう。もし手がかりが見つからない場合は、**「証券保管振替機構(ほふり)」**に情報開示を請求することで、どの証券会社に口座があったかを調べることができます。

故人の財産調査は、相続手続きの最初の難関です。この段階でつまずいてしまう方も多いので、不安な場合は専門家への相談を検討してもよいでしょう。

2. 株式を「評価する」

株式には、大きく分けて**「上場株式」「非上場株式」**の2種類があります。この2つは、相続税の評価方法が大きく異なります。

  • 上場株式:証券取引所で売買されている株式です。市場価格が日々変動しているので、評価は比較的簡単です。
  • 非上場株式:中小企業など、証券取引所に上場していない会社の株式です。市場での取引がないため、客観的な価格がありません。

特に非上場株式は、相続税を計算するための評価方法が非常に複雑です。会社の規模や経営状況によって、いくつかの評価方法(純資産価額方式や類似業種比準方式など)を使い分ける必要があります。

「非上場株式を相続したけど、評価額が予想以上に高くて相続税が払えない…」といった事態に陥ることも珍しくありません。評価額が分からず、相続税の申告期限が迫っているような場合は、税理士や弁護士に相談することが非常に大切です。

3. 株式を「分ける」

遺産分割協議で、株式をどのように分けるかを決めます。 株式は、現金のように簡単に分けることができないため、分割方法で揉めてしまうケースがよくあります。

主な分割方法は、以下の3つです。

  • 現物分割:特定の相続人が株式をそのまま取得します。
  • 換価分割:株式を売却して現金化し、その現金を相続人で分け合います。
  • 代償分割:特定の相続人が株式を取得する代わりに、他の相続人に対して現金を支払います。

この中でも、上場株式の場合は「換価分割」が一番分かりやすく、トラブルになりにくい方法です。しかし、非上場株式の場合はすぐに売却することが難しいため、分割方法で争いになることが多いです。

「会社を継ぐ長男が株式をすべて相続したいと主張しているが、他の兄弟は納得しない」「代償金を用意できない」など、感情的な対立も絡んでくると、話し合いは一気に難航してしまいます。


株式相続でよくあるトラブル:弁護士はここに役立ちます!

株式の相続は、特に以下のような場合にトラブルになりがちです。

1. 故人がどの証券会社を利用していたか不明な場合

故人が株式投資をしていたことは知っていても、どの証券会社に口座があったか分からない、といったケースはよくあります。

このような場合、弁護士は、職権で**「証券保管振替機構」**に照会をかけることができ、故人の口座情報をスムーズに特定することができます。

2. 非上場株式の評価で揉めている場合

非上場株式は、評価方法によって金額が大きく変わることがあります。 「どうしてこんなに評価額が高くなるの?」「この評価は妥当ではない!」と、相続人同士で意見が対立することは珍しくありません。

弁護士は、法律の専門家として、適切な評価方法を提示し、必要であれば不動産鑑定士や税理士といった他士業とも連携して、公平な評価額を算定するサポートを行います。

3. 遺産分割の方法で話し合いがまとまらない場合

特に非上場株式は、現物分割や代償分割が難しいため、争いになりやすい財産です。

「会社を継ぐのは自分なのだから、株式はすべて自分がもらうべきだ」「でも、他の兄弟には何も残らないのは不公平だ」 このように、感情的な対立が加わると、当事者だけで話し合いを続けるのは非常に困難です。

弁護士は、中立的な立場から話し合いを仲介し、それぞれの相続人の権利を尊重しながら、円満な解決策を提案します。また、話し合いで解決できない場合は、裁判所での遺産分割調停や審判を代理し、法的な手続きを進めることができます。

4. 故人の「使い込み」が疑われる場合

故人が生前に、特定の相続人に預金から多額の引き出しを行っていた場合、それは「使い込み」や「特別受益」として、遺産分割の際に考慮されるべきです。 株式の相続においては、「株の売却益を特定の相続人が受け取っていた」といったケースも考えられます。

弁護士は、銀行口座の取引履歴などを調査し、不審な点の有無を確認します。隠された財産を明らかにし、公平な遺産分割を実現するためのサポートを行います。


株式の相続は、早めの相談が安心の鍵

株式の相続は、現金や不動産に比べると、専門的な知識がより必要になります。 特に、非上場株式が絡む場合や、相続人同士の関係が複雑な場合は、トラブルが深刻化する前に、弁護士に相談することをおすすめします。

「こんなこと相談してもいいのかな?」と迷う必要はありません。 弁護士は、あなたの状況を丁寧にヒアリングし、今後の手続きの流れや、考えられるリスク、解決策を分かりやすくご説明します。

相続は、大切な人から引き継いだ財産と、その想いを未来につなぐ大切なプロセスです。株式の相続で不安を感じたら、ぜひお気軽に専門家にご相談ください。私たち弁護士は、あなたの心の平穏と、円満な相続の実現を全力でサポートします。


まとめ

  • 株式の相続は、まず**「株式の発見」**から。証券保管振替機構への照会が有効。
  • **「上場株式」「非上場株式」**では、評価方法が大きく異なる。非上場株式の評価は複雑。
  • 遺産分割は、現物分割、換価分割、代償分割の3つの方法があるが、非上場株式の場合はトラブルになりやすい。
  • 弁護士に相談することで、複雑な手続きや調査の代行相続人同士の交渉代理法的手続きのサポートといったメリットがある。
  • トラブルが深刻化する前に、早めに専門家へ相談することが、円満な解決への近道。
« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0664793766 問い合わせバナー 無料相談について