弁護士が教える!「代襲相続」はなぜトラブルになる? 知っておきたい問題点と解決策

弁護士が教える!「代襲相続」はなぜトラブルになる? 知っておきたい問題点と解決策


家族が亡くなった時、「相続」という言葉を耳にする機会は増えますが、その中に「代襲相続」という、少し聞き慣れない言葉があるのをご存じでしょうか?これは、本来相続人になるはずだった方が、被相続人(亡くなった方)より先に亡くなっていた場合に、その方の代わりに子どもや孫が相続人になるという制度です。

「代わりに相続できるなら、安心じゃないか」と思うかもしれません。しかし、この代襲相続が原因で、思わぬトラブルに発展するケースが少なくありません。今回は、代襲相続がなぜ問題になりやすいのか、そして弁護士に依頼すると何ができるのかを、やさしくお話しします。

代襲相続、まずは基本から押さえておきましょう

代襲相続は、相続順位に関わる重要なルールです。日本の民法では、亡くなった方の財産を相続する人には、法律で定められた順位があります。

<法定相続人の順位>

  1. 常に相続人になる方:配偶者
  2. 第1順位:子ども
  3. 第2順位:親や祖父母(直系尊属)
  4. 第3順位:兄弟姉妹

この順位で、先に亡くなった方がいた場合に代襲相続が起こります。

  • 子どもの代襲相続:亡くなった方に子どもがいて、その子どもが先に亡くなっていた場合、その孫が代わって相続します。孫も亡くなっていれば、ひ孫が代襲します。これを再代襲といいます。
  • 兄弟姉妹の代襲相続:亡くなった方に子どもや親がおらず、兄弟姉妹が相続人になる場合、その兄弟姉妹が先に亡くなっていれば、その甥・姪が代わって相続します。

ここで大事なポイントがあります。 代襲相続は、子どもの場合は下の世代(孫、ひ孫…)にずっと続いていきますが、兄弟姉妹の場合は甥・姪までで止まります。


「まさか」の相続人! 代襲相続がトラブルになる3つの理由

「うちの家族は仲がいいから大丈夫」と思っていても、代襲相続が絡むと、事態は一変することがあります。その背景には、主に3つの理由が隠されています。

1. 見知らぬ親族が突然の相続人に!?

最も多いトラブルの原因は、疎遠な、あるいは全く面識のない親族が、突然相続人として現れることです。

例えば、長年音信不通だった叔父さんが亡くなり、その方が子どものいない方だったとしましょう。この場合、相続人は兄弟姉妹(あなたの父や母、叔父叔母)になります。もし、あなたの父が既に亡くなっていた場合、代襲相続であなたが相続人になるわけです。

ここで、問題になるのが、疎遠だった親族との話し合いです。遺産分割協議は相続人全員で行わなければならないため、見知らぬ甥や姪と顔を合わせ、連絡を取り合い、話し合わなければなりません。しかし、長年連絡を取っていなかったり、感情的なわだかまりがあったりすると、スムーズな話し合いは非常に困難になります。

2. 相続財産の把握が難しい

相続手続きを始めるには、まず、被相続人(亡くなった方)の財産をすべて洗い出す必要があります。預貯金や不動産、株式などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。

もし、代襲相続人が現れた場合、その方は被相続人の財産状況を全く知らないことがほとんどです。財産目録を開示しても、「本当にこれだけ?」と不信感を抱かれたり、過去の経緯を知らないため、「なぜこの不動産はこんなに評価が低いのか?」と疑問を持たれたりすることもあります。

財産の全容を正確に把握し、その情報を透明性をもって共有するのは、専門家でも難しい作業です。それを、代襲相続人が加わった状況で、当事者だけで進めるのは、さらに大きな労力と精神的負担を伴います。

3. 遺産分割の合意形成が困難になる

遺産分割協議は、相続人全員の合意があって初めて成立します。一人でも反対する人がいれば、協議はまとまりません。

代襲相続人は、被相続人との関係が薄いため、財産に対する思い入れも、他の相続人とは大きく異なる場合があります。例えば、親の介護に尽くしてきた長男が実家を相続したいと考えていても、代襲相続した遠方の甥は「実家を売ってお金で分けたい」と主張するかもしれません。

このように、相続財産に対する価値観や希望が異なるため、互いの主張が平行線をたどり、話し合いが長引くことになります。最終的に、協議が難航して家庭裁判所の遺産分割調停審判に発展するケースも少なくありません。


こんな時こそ弁護士にご相談を

代襲相続が絡む複雑な相続問題は、ご自身だけで解決するのは非常に困難です。そんな時にこそ、弁護士にご相談いただくことで、スムーズな解決へと導くことができます。

1. 全相続人との窓口を一本化できる

疎遠な親族との連絡は、それだけで精神的な負担が大きくなります。弁護士は、あなたの代理人として、他の相続人との連絡や交渉をすべて引き受けます。見知らぬ親族と直接顔を合わせたり、不信感からくる厳しい言葉を投げかけられたりするストレスから解放されます。

2. 適正な遺産分割案を提案できる

弁護士は、法律と過去の判例に基づき、あなたのケースに最適な遺産分割方法を提案できます。例えば、代襲相続人がいる場合でも、特別受益(生前贈与など)や寄与分(介護への貢献など)を正確に計算し、公平な分割案を提示できます。

3. 遺産分割調停・審判まで一貫してサポート

話し合いがこじれて調停や審判に発展した場合でも、弁護士が代理人として裁判所に出廷し、あなたの主張を法的な観点から整理・主張します。これにより、感情的な対立を避け、冷静な議論の場で解決を目指せます。

最後に

代襲相続は、予期せぬトラブルの火種となり得ます。少しでも不安を感じたら、一人で抱え込まず、相続問題に詳しい弁護士に一度相談してみてください。当事務所では、初回のご相談を無料でお受けしています。あなたの不安な気持ちに寄り添い、最適な解決策を一緒に見つけ出すお手伝いをさせていただきます。どうぞお気軽にご連絡ください。

keyboard_arrow_up

0664793766 問い合わせバナー 無料相談について