相続財産に不動産が含まれる場合、その評価方法や分割方法(換価分割、現物分割、代償分割など)が複雑になり、相続人間に意見の対立が生じやすくなります。共有名義になった不動産の管理・売却問題も頻繁に発生します。
当事務所は、不動産に関する法的知識と実務経験を活かし、不動産評価から登記手続き、共有不動産の解消まで、不動産が絡む相続問題をトータルで解決に導きます。不動産相続でお困りの方は、ぜひご相談ください。
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不動産が絡む相続問題の複雑性
被相続人の逝去に伴い発生する相続は、残された家族にとって重要な手続きです。特に、遺産の中に不動産が含まれる場合、その分割は現金や預貯金のように単純には進まないため、親族間でのトラブルに発展しやすいという特有の複雑性を持ちます。
故人が長年住み慣れた自宅や、代々受け継がれてきた土地、あるいは事業の基盤となる不動産などは、単なる金銭的価値を超えた感情的な意味合いを持つことが少なくありません。このような不動産の性質が、相続人間に「誰が引き継ぐべきか」「どのように公平性を保つか」といった、生活や人間関係に直結する複雑な選択を迫り、感情的な対立を招きやすい傾向にあります。
不動産は物理的に分割が困難であるため、相続人が複数いる場合、その取得方法を巡って意見が対立することが頻繁に生じます。例えば、特定の相続人が不動産を単独で引き継ぎたいと希望しても、他の相続人が金銭的な補償を求めることで、その評価額や代償金の算出方法が争点となることがあります。
このような状況では、単に法律の知識があるだけでなく、相続人それぞれの意向や感情を理解し、冷静かつ建設的に交渉を進める能力が不可欠となります。弁護士は、法的な側面から最適な解決策を提示するだけでなく、感情的な側面を含む複雑な紛争を円滑に解決するための専門家として、その役割が極めて重要になります。
遺産分割における不動産の評価と分割方法
不動産の評価方法とその違い
遺産分割において不動産の評価は、相続人全員の合意形成において最も重要な要素の一つです。不動産の評価には、一般的に「一物五価」と呼ばれる複数の基準が存在し、遺産分割協議でどの評価額を用いるかによって、各相続人の取得額や相続税額に大きな影響が生じます。
主な不動産の評価方法は以下の通りです。
時価(実勢価格)
市場で実際に取引される価格を指します。遺産分割においては、原則としてこの時価が不動産の評価基準として用いられます。時価の算定には、不動産鑑定士による鑑定評価や、不動産会社の査定書が参考にされます。
特に、不動産鑑定士による鑑定評価は最も信頼性が高いとされていますが、費用と時間がかかるため、他の方法で合意形成が難しい場合の最終手段として検討されることが多いです。
相続税評価額(路線価方式・倍率方式)
相続税や贈与税を計算する際に用いられる評価額です。この評価額は、公示地価のおよそ80%程度の水準で設定されており、国税庁が毎年公表する路線価図や評価倍率表に基づいて算出されます。
土地の面積に路線価を乗じ、形状や奥行きに応じた補正率を掛けて算出する「路線価方式」と、固定資産税評価額に評価倍率を掛けて算出する「倍率方式」があります。
固定資産税評価額
固定資産税を計算する際に用いられる評価額で、公示地価の約70%程度の水準に設定されています。建物の場合の相続税評価額としても、原則としてこの固定資産税評価額がそのまま用いられます。
この評価額は、市区町村から送付される固定資産税の課税明細書などで確認できます。
これらの評価額には大きな乖離が存在し、例えば時価を100とした場合、相続税評価額は約80、固定資産税評価額は約70という関係になります。不動産によっては、この評価額の差が数百万、数千万円に及ぶこともあり 、この価格差が遺産分割における「公平性」を巡る戦略的な争点となることがあります。
不動産を取得したい相続人は低い評価額を主張し、代償金を受け取る相続人は高い評価額を主張するなど、評価方法の選択自体が交渉の主戦場となるため、相続人全員の合意形成には専門的な知識と交渉力が求められます。
弁護士は、依頼者の利益を最大化しつつ、相続人全員が納得できる評価方法の選択や、必要に応じた鑑定評価の導入について、戦略的なアドバイスを提供することが可能です。
不動産の主な分割方法とメリット・デメリット
不動産が遺産に含まれる場合、その性質上、現金や預貯金のように単純に分割することが困難です。そのため、相続人全員で話し合い、合意に基づいて適切な分割方法を選択する必要があります。
主な分割方法は以下の通りです。
概要 |
不動産を物理的に分割し、各相続人がそれぞれの部分を単独で取得する方法です。 例えば、広い土地を複数に分け、各相続人がその一部を所有する、あるいは複数の不動産がある場合に、それぞれを特定の相続人に割り当てる、といった形です。 |
メリット | 不動産そのものの価値を維持しやすく、売却に伴う手間や費用、税金が発生しない点が挙げられます。 |
デメリット |
土地の形状や広さによっては物理的な分割が困難な場合があり、分割後の土地の価値が不均等になる可能性があります。 また、分割後の土地が建築基準法や地域の条例に適合しない場合、活用が制限されることもあります。 |
概要 | 特定の相続人が不動産を単独で取得する代わりに、他の相続人に対して、その相続分に相当する金銭(代償金)を支払う方法です。 |
メリット |
不動産を売却することなく、特定の相続人が引き続き利用・管理できるため、故人の思い出の詰まった家などを残すことが可能です。 また、不動産の価値を損なうことなく、公平な分割を実現できます。 |
デメリット |
不動産を取得する相続人に、代償金を支払うための十分な資力が必要となります。 代償金の額を巡って評価方法で争いが生じることもあります。 |
概要 | 不動産を売却し、その売却代金を相続人全員で相続分に応じて分配する方法です。 |
メリット |
現金化することで、不動産の物理的な分割が不要になり、公平な金銭的分配が容易になります。 また、不動産の管理負担や固定資産税の負担から解放されます。 |
デメリット |
不動産を手放すことになるため、新たな居住地を探す必要がある、有効活用の道を諦めざるを得ないといった点が挙げられます。 また、売却には時間と費用がかかり、不動産市況によっては希望する価格で売却できないリスクも存在します。売却代金には譲渡所得税が課されるため、税負担も考慮する必要があります。 |
概要 | 不動産を売却せず、相続人全員で共有名義とする方法です。 |
メリット | 遺産分割協議自体は比較的スムーズに終えられることがあります。 |
デメリット |
不動産が共有状態になるため、利用や処分が難しくなります。共有不動産の売却や大規模な修繕には共有者全員の同意が必要となり、意見が一致しない場合にトラブルの原因となるおそれがあります。 さらに、共有者が亡くなると権利関係がより複雑になり、将来的な問題の先送りにしかならないケースが多いため、専門家は共有分割を「最後の手段」として推奨しない傾向にあります。 共有持分のみの売却は可能ですが、買い手がつきにくく、相場よりかなり安くなる傾向があります。 |
不動産相続で避けて通れない「相続登記」の義務化と手続き
2024年4月1日からの相続登記義務化
不動産を相続した場合、その名義変更(相続登記)は、これまで任意とされていましたが、2024年(令和6年)4月1日より義務化されました。この法改正は、所有者不明土地問題の解消を目的としています。
所有者不明土地は、所有者の特定が困難なために公共事業や民間取引の妨げとなり、社会問題化していました。相続登記の義務化は、不動産の所有者を明確にし、このような問題を抜本的に解決するための重要な一歩です。
義務化の対象となるのは、「相続財産に不動産が含まれていること」が前提です。不動産を相続した相続人は、原則として「所有権の取得を知った日から3年以内」に登記を行わなければなりません。
また、遺産分割協議が成立した場合は、「遺産分割が成立した日から3年以内」に登記が必要です。2024年4月1日以前に相続が開始された不動産も義務化の対象となり、この場合も「施行日から3年以内(2027年4月1日まで)」に登記を完了する必要があります。
正当な理由なく義務に違反した場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。また、住所変更をした場合も2年以内に登記が義務化され、未登記の場合は5万円以下の過料が科されることがあります。
登記を怠ると、不動産の売却や活用が困難になるだけでなく、共有者が亡くなることで新たな相続人が登場し、権利関係がさらに複雑化するリスクが高まります。このような事態を避けるためにも、早期の相続登記が強く推奨されます。
相続登記に必要な書類と取得方法
相続登記には、多くの書類が必要となり、その取得には時間と手間がかかります。主要な書類と取得方法は以下の通りです。
目的 | 法定相続人を確定するため、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を遡って集める必要があります。 |
取得方法 |
各市区町村の役所で取得します。2024年3月1日からは「戸籍謄本の広域交付制度」が始まり、本人、配偶者、直系親族(両親、祖父母、子、孫)の戸籍謄本・除籍謄本は、最寄りの市区町村の役所の窓口でまとめて取得できるようになりました。 ただし、顔写真付きの本人確認書類を持参し、本人が直接出向く必要があります。代理人による申請や郵送は対象外です。兄弟姉妹や甥姪の戸籍謄本は、従来通り本籍地のある(あった)各役所に問い合わせて取得する必要があります。 |
目的 | 亡くなった方と不動産の登記名義人が同一人物であることを確認するため。 |
取得方法 | 被相続人が最後に住所を置いていた市区町村の役所で取得します。 |
目的 | 新しい名義人の住所を登記記録に登録するため。 |
取得方法 | 住所地の市区町村の役所、またはマイナンバーカードがあればコンビニでも取得可能な場合があります。 |
目的 | 相続する不動産の情報を正確に把握するため。 |
取得方法 | 全国の法務局で取得可能です。窓口、郵送、オンラインでの申請ができます。 |
目的 | 登録免許税(不動産評価額の0.4%)を計算するために必要です。 |
取得方法 | 不動産がある市区町村の役所で取得します。 |
目的 |
相続人全員が遺産の分け方について合意した内容を記す書類です。 遺言書がない場合や、遺言と異なる分割を行う場合に必要となります。 |
作成方法 |
定まった書式はありませんが、不動産の所在地、地番、地目、地積、家屋番号、種類、構造、床面積などを登記記録通りに正確に記載する必要があります。 相続人全員の署名と実印の押印が必要です。 |
目的 | 遺産分割協議書に押印された実印が本人のものであることを証明するため。 |
取得方法 |
各市区町村の役所、またはマイナンバーカードがあればコンビニでも取得可能な場合があります。 |
これらの書類は多岐にわたり、役所や法務局での手続き、他の相続人との調整など、多くの手間と時間がかかります。
特に、平日の昼間に時間が取れない方や、相続人の人数が多い場合、相続トラブルの懸念がある場合は、司法書士や弁護士といった専門家に依頼することで、手続きをスムーズに進めることが可能です。
遺産分割における「分筆登記」の活用と注意点
分筆登記とは?
分筆登記とは、登記簿上で一つの土地として扱われている土地(一筆の土地)を、複数の土地に分けて登記する手続きを指します。これにより、元の土地には新たに地番が付与され、例えば「○○町2丁目15番」の土地が「○○町2丁目15番1」と「○○町2丁目15番2」のように登記変更されます。分筆は、土地の所有権を明確にし、将来的なトラブルを未然に防ぐための重要な手段となります。
分筆と似た言葉に「分割」がありますが、これは登記変更を伴わず、土地を図面上で区切るだけの行為です。例えば、親の敷地の一部に子が家を建てる場合などが該当し、子の家が建っている部分の土地の所有者は親のままとなります。
分筆登記は、国家資格を持つ土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。
分筆登記のメリット
分筆登記には、不動産が絡む相続において、いくつかの重要なメリットがあります。
複数の相続人がいる場合、一つの土地を共有名義にすると、売却や新築、大規模な修繕など、土地の利用や処分に共有者全員の同意が必要となり、意見の不一致からトラブルに発展する可能性が高まります。
分筆登記を行うことで、土地を個別の区画として管理できるようになり、各相続人がそれぞれのニーズに応じた活用(例えば、売却して利益を得る、新たな住居を建設する、賃貸に出すなど)が可能になります。
これにより、将来的なトラブルを未然に防ぎ、相続した土地を自由に活用できるという大きな利点があります。
土地の評価額は、道路との接触状況や土地の形状など、さまざまな要因によって決定され、評価額が低いほど固定資産税や相続税、贈与税などの税額も低くなります。
主要道路に面している土地は評価額が高くなる傾向がありますが、分筆によって主要道路に面さない部分を新たに作ると、その部分の評価額を下げられる可能性があります。これにより、トータルでの税負担を軽減できる場合があります。
土地には「宅地」「山林」「田」などの地目(用途)が設定されており、一つの土地に複数の地目を混在させることはできません。しかし、分筆を行うことで、個々の土地ごとに最適な地目への変更が可能になります。
例えば、「田」として登記されている土地の一部を分筆し、その地目を「宅地」に変更することで、住宅や商業施設などの新しい建物を建築できるようになります。これにより、土地の潜在的な価値を引き出し、より効率的な活用が期待できます。
分筆登記のデメリットと実務上の注意点
分筆登記には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットと実務上の注意点も存在します。
土地を複数に分けると、それぞれの敷地面積が小さくなり、建物の規模や配置が制限されることがあります。
特に、建築基準法で定められた接道義務(道路に2メートル以上接すること)や最低敷地面積の規定を満たせなくなる場合、建物の新築や増改築が困難になる可能性があります。分筆計画を立てる際には、現在の法律や規制を十分に理解し、将来の利用目的に合った計画を立てることが不可欠です。
住宅用地には固定資産税が軽減される特例措置が適用されますが、土地を分筆することで、その要件を満たさなくなり、固定資産税が増加する可能性があります。
特に小規模住宅用地の特例が適用されなくなると、税額が大幅に増加しかねません。分筆を検討する際には、税金への影響を十分に検討し、専門家のアドバイスを受けることが望ましいです。
分筆登記の手続きは、法務局や市役所との連絡、地図測量、現地調査と立会、境界確定測量、登記書類の作成と申請など、多くの工程を要します。
この手続きの煩雑さから、通常は土地家屋調査士に依頼しますが、隣接する土地の境界の状況や隣地所有者との関係によっては、手続きに数ヶ月かかることもあります。
実務上、分筆が認められないケースも存在します。例えば、分筆後の土地の面積が0.01㎡未満になる場合や、市街化調整区域などで定められた最低面積を下回る場合などが挙げられます。
また、分筆には隣接する土地の所有者の立ち会いと境界確認書への署名・押印が必要となるため、隣地所有者と不仲であったり、行方不明であったりする場合、分筆登記が非常に困難になることがあります。
このような状況を回避するための対策として、以下が挙げられます。
- 筆界特定制度の利用
隣地所有者の協力が得られない場合でも、法務局の筆界特定制度を利用することで、公的に筆界(境界)を特定し、分筆を進めることが可能になります。 - 境界確定訴訟
筆界特定制度でも解決しない場合、裁判所に境界確定訴訟を提起し、裁判所の判断によって境界を確定させる方法もあります。 - 不在者財産管理人の選任
隣地所有者が行方不明の場合、家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらい、その管理人が手続きを進めることで分筆が可能になることがあります。 - 法改正による実務上の緩和
近年では、法務局に明確な地図がある場合は新たな筆界確認情報が不要になったり、隣地が相続人多数だったりするの場合には占有者だけの立会いで済むなど、分筆しやすくするための登記実務の改正も進んでいます。
分筆は、土地の将来的な活用や資産価値に直結する重要な決定であるため、慎重な検討と専門家のアドバイスが不可欠です。
分筆登記にかかる費用と期間
分筆登記には、主に以下の費用と期間がかかります。
費用
登録免許税 | 分筆後の土地の筆数に応じて課税されます。例えば、1つの土地を2つに分筆した場合、登録免許税は2,000円(1筆あたり1,000円)となります。 |
土地家屋調査士への報酬 |
分筆登記は専門的な測量や書類作成が必要となるため、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です。 報酬額は土地の状況や測量の難易度によって異なりますが、一般的には数十万円から百万円以上かかることもあります。 |
必要書類の取得費用 | 戸籍謄本や登記事項証明書などの取得費用も発生します。 |
期間
分筆登記の申請から登記完了までの期間は、通常10日~2週間程度です。
しかし、分筆登記の前提となる「境界確定測量」に時間がかかるため、全体としては3~4ヶ月程度の期間を見込んでおく必要があります。隣地に国や地方公共団体の土地が含まれる場合、確認にさらに2~3ヶ月程度要することもあります。
すでに境界確定測量が済んでいる土地であれば、分筆登記の完了までにかかる期間は、書類作成期間を含めて約1ヶ月程度と短縮されます。
分筆登記は、相続後の不動産活用を円滑に進める上で有効な手段ですが、その費用と期間、そして実務上の注意点を十分に理解した上で検討することが重要です。
不動産が絡む相続トラブルの具体例と弁護士に依頼するメリット
不動産相続でよくあるトラブル事例
不動産が遺産に含まれる相続では、その性質上、様々なトラブルが発生しやすい傾向にあります。
不動産の評価方法は複数あり(時価、相続税評価額、固定資産税評価額など)、それぞれ算出される価格が大きく異なります。
特定の相続人が不動産を単独で取得する場合、代償金の額を巡って、不動産を取得する側は低く、代償金を受け取る側は高く評価したいと主張し、意見が対立することが頻繁に起こります。
裁判所が評価額を認定する際も、鑑定方法(まとまった土地として鑑定するか、分筆を前提とするかなど)によって鑑定額が異なるため、適切な遺産分割が困難になることがあります。
不動産を共有名義で相続した場合、その後の利用や売却、大規模な修繕などには共有者全員の同意が必要となります。
意見の不一致や共有者間の関係悪化により、不動産が有効活用できない「塩漬け」状態になったり、売却したいのに反対されて身動きが取れなくなったりするケースが多発します。さらに、共有者が亡くなると新たな相続人が加わり、権利関係が複雑化し、問題が次世代に先送りされるリスクも伴います。
過去の判例でも、共有分割は「最後の手段」とされており、共有状態の解消を求めて共有物分割請求訴訟に至ることも少なくありません。
弁護士に相談・依頼するメリット
不動産が絡む相続問題は、法的知識だけでなく、複雑な人間関係や感情的な対立が絡むため、専門家である弁護士のサポートが不可欠です。弁護士に相談・依頼することで、以下のような多岐にわたるメリットが期待できます。
不動産は現金のように均等に分けられないため、親族間でトラブルに発展することが珍しくありません。弁護士は、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割といった様々な分割方法の中から、依頼者の状況や希望に最も合った最適な方法を提案し、その実現に向けてサポートします。
すでに紛争が生じている場合でも、弁護士が第三者の視点から冷静に交渉を進めることで、感情的な対立を避け、円満な解決に導くことが可能です。
遺産分割調停や審判に移行した場合でも、弁護士が代理人として法的手続きを適切に進め、依頼///者の権利を最大限に守ります。
不動産の評価額は、遺産分割協議において最も争点になりやすい部分です。
弁護士は、時価、相続税評価額、固定資産税評価額といった複数の評価基準を理解し、依頼者の利益を考慮した上で、最も適切な評価方法を選択し、客観的な根拠に基づいた不動産価値を算定します。
必要に応じて不動産鑑定士との連携も図り、公平な評価を基にした交渉を進めることで、相続人間の合意形成を促進します。
相続人間で意見が対立し、感情的なやり取りが困難になることは珍しくありません。弁護士に依頼することで、相続人への連絡や調整、交渉を全て任せることができ、依頼者の精神的負担を大幅に軽減できます。
弁護士は法律の専門家として、冷静かつ客観的な視点から交渉を進め、トラブルの悪化を防ぎながら、依頼者の意向を最大限に反映した解決を目指します。
2024年4月1日からの相続登記義務化により、不動産を相続した際の登記手続きは必須となりました。弁護士は、相続登記に必要な戸籍謄本や住民票などの収集、遺産分割協議書の作成、登記申請書の作成・提出といった複雑な手続きを全て代行することが可能です。
これにより、書類の不備による手続きの遅延や、過料の発生といったリスクを回避し、スムーズかつ確実に名義変更を完了させることができます。
相続は一度きりの問題ではなく、配偶者や親が亡くなった後の「一次相続」だけでなく、その後に残された配偶者が亡くなった際に発生する「二次相続」まで見据えた対策が重要です。
弁護士は、相続税の計算や、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例などの税制優遇措置の適用についてアドバイスを提供し、将来的な税負担を軽減するための戦略を立案します。
必要に応じて税理士とも連携し、総合的な視点から最適な相続税対策を講じることが可能です。
不動産相続は、法律問題だけでなく、税金(相続税)や登記(名義変更)、不動産の測量や売却など、多岐にわたる専門知識が必要となります。
弁護士は、相続税の専門家である税理士、不動産登記の専門家である司法書士、土地測量の専門家である土地家屋調査士、不動産売却の専門家である不動産会社など、他の士業や専門家と連携することで、依頼者は複数の専門家を個別に探す手間なく、ワンストップで包括的なサポートを受けることができます。
これにより、手続きの効率化が図られ、より迅速かつ円滑な問題解決が実現します。
大阪で相続問題に強い弁護士を選ぶポイント
大阪で不動産が絡む相続問題に直面した際、どの弁護士に相談すべきか迷うことは少なくありません。適切な弁護士を選ぶことは、問題解決の成否を大きく左右します。
不動産相続の実績と専門性
相続問題、特に不動産が絡むケースは、その複雑性から専門的な知識と豊富な経験が求められます。弁護士を選ぶ際には、以下の点を重視することが重要です。
- 相続問題への注力
弁護士には様々な専門分野がありますが、相続問題、特に不動産相続に注力し、深い知識と実績を持つ弁護士を選ぶことが肝要です。事務所のウェブサイトや弁護士のプロフィールで、相続案件の解決事例や取り扱い分野を確認しましょう。 - 不動産に関する専門知識
不動産の評価方法、登記手続き、分筆登記のメリット・デメリット、共有不動産の問題など、不動産特有の法律や実務に精通しているかどうかが重要です。不動産鑑定士や土地家屋調査士、税理士など、他の専門家との連携体制が整っている事務所であれば、より包括的なサポートが期待できます。 - 交渉力と問題解決能力
相続問題は、感情的な対立を伴うことが多いため、法的な知識だけでなく、相続人間の調整や交渉を円滑に進める能力が求められます。弁護士が、依頼者の利益を守りつつ、冷静かつ建設的に話し合いを進められるかどうかが、円満解決の鍵となります。
相談しやすい体制と費用体系
弁護士との良好なコミュニケーションは、相続問題解決において非常に重要です。
- 初回相談の有無と内容
多くの法律事務所では初回無料相談を実施しています。この機会を活用し、弁護士の対応や説明の分かりやすさ、相性などを確認しましょう。相談内容を丁寧にヒアリングし、具体的なアドバイスや解決の見通しを提示してくれるかどうかが重要です。 - 費用体系の明確さ
弁護士費用は、相続財産の額や事案の複雑さによって異なります。事前に見積もりを明確に提示し、納得のいく料金体系であるかを確認することが大切です。追加費用が発生する可能性についても、事前に説明があるかどうかも確認ポイントです。 - アクセスと相談時間
事務所の所在地や、土日・夜間の相談に対応しているかどうかも、依頼者にとっては重要な要素です。無理なく訪問できる場所にあるか、多忙な中でも相談しやすい時間帯に対応しているかを確認しましょう。
複雑な不動産相続は専門家へ
不動産が絡む遺産分割は、その評価の複雑さ、分割方法の選択肢、そして2024年4月1日からの相続登記義務化など、多岐にわたる専門知識と手続きを要します。共有状態の不動産が将来的なトラブルの温床となる可能性や、分筆登記がもたらすメリット・デメリット、そしてそれに伴う費用や期間など、考慮すべき点は少なくありません。
このような複雑な相続問題に直面した際、ご自身で全てを解決しようとすると、時間的・精神的な負担が大きいだけでなく、法的な不備や不公平な結果を招くリスクがあります。特に、感情的な対立が生じやすい親族間の問題では、第三者である弁護士が介入することで、冷静かつ客観的な視点から問題解決へと導くことが可能になります。
弁護士は、不動産の適正な評価、最適な分割方法の提案、相続人との交渉、相続登記手続きの代行、さらには二次相続を見据えた税対策まで、包括的なサポートを提供できます。また、税理士や司法書士といった他の専門家との連携により、ワンストップで手続きを完結させることも可能です。
大阪で不動産相続に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、相続問題に強い弁護士にご相談ください。早期に専門家のアドバイスを受けることが、トラブルを未然に防ぎ、円満かつスムーズな相続を実現するための最も確実な一歩となります。
解決事例
この事例の依頼主 年齢・性別 非公開
相談前の状況相談者様は母親が亡くなったため父親名義の不動産を相続したいとのことで相談がありました。当初は、遺産分割協議書の作成と相続人の調査をしてほしいとのことで相談で終わる予定でした。
解決への流れところが、相談後に相続調査を行ったところ何と父親との間に先妻がおり、その間に子供が複数名いることが判明しました。また、その子供さんんがお亡くなったりして芋づる方式で相続人が一気に広がっていきました。
このため、一人一人の相続人に相続調査を行い、お手紙を送ったりして相続の持ち分をもらったりしていき、最終的には同意頂けなかった方々に対しては遺産分割調停を提起し、持ち分を買い取りました。持ち分の買取額は当初想定していたよりもかなり抑えることができ、円満に終わることができました。
(井上めぐみ弁護士により、調停で不動産取得・円満解決)

野条 健人
相続調査を行うことにより当初想定していた相続人より一気に広がることがあります。
それでもねばり強く交渉することで、持ち分を贈与してもらったり放棄してもらうこともあります。まずはご相談ください。
この事例の依頼主 60代 女性
ご依頼者様は、ご主人がお亡くなりになり、ご自宅の不動産と預貯金の遺産分割協議を進めようとしました。しかし、生前ご主人と折り合いが悪かったご主人の姉(ご依頼者様にとっては義姉)が連絡を拒否し、協議が全く進まない状況でした。
ご依頼者様は、電話にも出ない義姉に困り果て、何とか遺産分割協議を進めたいと当事務所にご相談に来られました。

野条 健人
ご依頼を受け、私たちは速やかにご主人の姉に対し、弁護士より通知書を送付しました。遺産を独り占めしたいわけではなく、法定相続分に従って公平に分けたい旨を粘り強く伝え続けました。
また、生前のいざこざについては、すべて義姉だけが悪いのではなく、お互いの行き違いによる部分も大きいこと、そして裁判などの法的な手段によらず、あくまで話し合いでの解決を希望していることを丁寧に説明しました。
こうした粘り強い交渉と、感情的な対立を避ける姿勢が功を奏し、最終的には、ご依頼者様が自宅不動産と預貯金の一部(約400万円)を取得し、義姉が預貯金の残りを取得するという形で、遺産分割協議を成立させることができました。
ご依頼者様は、自宅を守ることができ、金銭的な不安も解消され、大変ご満足いただけました。
相続において、生前の人間関係や感情的な対立が原因で、遺産分割協議が困難になるケースは少なくありません。特に、連絡を拒否されたり、話し合いのテーブルに着いてもらえない場合、ご自身での解決は非常に難しいものです。
弁護士が介入することで、冷静かつ専門的な視点から話し合いを進め、感情的な対立を緩和しながら、お客様の権利を守り、円満な解決へと導きます。
不動産や預貯金が絡む遺産分割でお困りの方、あるいは相続人との関係性に不安がある方は、ぜひ一度、弁護士法人かがりび綜合法律事務所にご相談ください。お客様のお悩みに真摯に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。
この事例の依頼主 60代 女性(本事例は提携弁護士法人杉並総合法律事務所が担当)
ご依頼者様のお父様は不動産経営をされており、お亡くなりになった後には収益不動産とご自宅の不動産が残されました。しかし、元々あまり仲が良くなかったご兄弟間での遺産分割協議は暗礁に乗り上げてしまい、ご依頼者様は当事務所にご相談に来られました。
ご依頼内容として、ご自身が不動産を取得したいという強いご要望をお持ちでした。また、預貯金に関しても、それに相応する金額の取得を希望されていました。

野条 健人
ご依頼を受け、私たちは他のご兄弟が遠方にお住まいであったため、ご自宅不動産の利用や収益不動産の修繕管理が困難であること、建物の価値がほぼゼロとなっていること、建物の維持管理には相応の費用がかかること、そして不動産がお亡くなりになったお父様にとって生きがいであったことなどを丁寧に説明し、ご説得に努めました。
粘り強い交渉の結果、最終的にはご依頼者様が不動産(土地建物2件)を取得し、さらに預貯金の相当割合である1,200万円も取得することで合意が成立しました。ご依頼者様のご希望通り、不動産と預貯金の両方を手に入れ、大変ご満足いただける結果となりました。
不動産が遺産の大部分を占める場合、その評価や分割方法を巡って相続人同士の意見が対立し、遺産分割協議が難航することは少なくありません。特に、相続人の間で感情的な問題がある場合、当事者だけでの解決は一層困難になります。
弁護士が介入することで、客観的な視点から遺産の評価を行い、各相続人の状況や希望を考慮しながら、法的な根拠に基づいた最適な分割案を提案し、交渉を進めることが可能です。
「不動産の相続で困っている」「兄弟間の話し合いが進まない」など、遺産分割でお困りの方は、ぜひ一度、弁護士法人かがりび綜合法律事務所にご相談ください。お客様の状況に寄り添い、最適な解決策をご提案いたします。
お客様の声
父が亡くなり、遺産分割で兄弟と意見が対立していました。特に、父が経営していた会社の株式の評価や、事業を継いだ兄弟への配慮など、非常に複雑な問題が山積しており、私たちだけではど
うにもなりませんでした。弁護士法人かがりび綜合法律事務所にご相談したところ、株式の専門的な評価から、各相続人の状況に応じた柔軟な分割案まで、丁寧にご提案いただきました。
おかげさまで、裁判所を通さずに話し合いで解決でき、兄弟間の関係もこれ以上悪化することなく、本当に感謝しています。
夫の突然の他界により、自宅と預貯金、そして少しばかりの株式を相続することになりました。何から手をつけて良いか分からず、特に相続税の申告期限が迫っていることに強い不安を感じていました。
弁護士法人かがりび綜合法律事務所の先生方は、まず私の不安な気持ちに寄り添ってくださり、相続税の専門家である税理士とも連携して、迅速に手続きを進めてくださいました。
複雑な書類作成も全てお任せでき、無事に申告を終えることができました。本当に心強かったです。
長年疎遠だった兄が亡くなり、私が相続人となりましたが、兄の住まいは遠方で、遺産整理のために何度も足を運ぶことが困難でした。
また、他にも遠方に住む相続人がおり、手続きの進め方に困っていました。
弁護士法人かがりび綜合法律事務所にご依頼したところ、遠隔でのやり取りもスムーズに進めてくださり、私が現地に行く回数を最小限に抑えながら、全ての相続手続きを代行してくださいました。定期的な進捗報告もあり、安心して任せることができました。大変助かりました。
相続に関するどんなお悩みも、弁護士法人かがりび綜合法律事務所へ
上記のお客様の声は、私たちがこれまで解決してきた数多くの相続案件の一例です。遺産分割の複雑さ、相続税の不安、遠方の相続人との調整など、相続には様々な課題が伴います。
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