弁護士が教える!代襲相続のトラブル解決法|知っておきたい基礎知識と弁護士に相談すべき理由
皆さん、こんにちは。弁護士の井上めぐみです。
相続は、人生で何度も経験するものではありません。だからこそ、いざ相続が始まると「何から始めればいいの?」「手続きが複雑でわからない」といったお悩みを抱える方が多くいらっしゃいます。
特に、お子さんがすでに亡くなっている場合や、孫が相続人になるケースでは、「代襲相続」という聞き慣れない言葉に直面し、さらに不安が大きくなるかもしれません。
この記事では、代襲相続の基本的な仕組みから、実際に起こりやすいトラブル、そして、トラブルを回避するために弁護士に相談するメリットについて、わかりやすく解説していきます。相続で困っている方、これから相続を控えている方に、少しでもお役に立てば幸いです。
代襲相続とは?~孫や甥・姪が相続人になるケース
まずは、代襲相続の基本的な仕組みから確認していきましょう。
代襲相続とは、本来であれば相続人になるはずだった人が、すでに亡くなっているなどの理由で相続できなくなった場合に、その人の代わりに、その人の子が相続人になることをいいます。
たとえば、おじいさまが亡くなられたとします。本来の相続人は、おじいさまのお子さん(あなたのお父さん)です。しかし、お父さんがすでにお亡くなりになっていた場合、お父さんの代わりに、あなた(お孫さん)が相続人になるのが「代襲相続」です。
代襲相続は、以下の2つのケースで発生します。
- 被相続人(亡くなった方)の子が、相続開始前に亡くなっている場合 →その子の子(被相続人の孫)が代襲相続人になります。
- 被相続人の兄弟姉妹が、相続開始前に亡くなっている場合 →その兄弟姉妹の子(被相続人の甥・姪)が代襲相続人になります。
このように、代襲相続は、故人の遺志を尊重し、血縁関係のある人が公平に遺産を受け継ぐための重要な制度なのです。
代襲相続で起こりやすいトラブルとその原因
「代襲相続」と聞くと、「親が亡くなったのだから、孫が相続するのは当然」と思われるかもしれません。しかし、代襲相続は、通常の相続とは異なる要素が加わるため、思わぬトラブルに発展することが少なくありません。
具体的には、以下のような問題が起こりやすくなります。
1. 相続関係が複雑になり、相続人確定に手間がかかる
代襲相続が発生すると、通常の相続人だけでなく、代襲相続人も含めてすべての相続人を確定させなければなりません。この相続人確定は、戸籍謄本をさかのぼって取得し、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍を調査する必要があります。
代襲相続人が複数いる場合や、再婚や養子縁組など複雑な家族関係がある場合は、さらに調査に時間がかかります。ご自身で戸籍をさかのぼるのは非常に手間がかかり、途中で挫折してしまう方も少なくありません。
2. 代襲相続人同士の面識がなく、遺産分割協議が進まない
代襲相続人、特に被相続人の甥・姪は、被相続人や他の相続人とほとんど面識がないケースも珍しくありません。
遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。しかし、面識のない人同士が、感情的なしこりや、遺産に対する考え方の違いから、なかなか意見がまとまらないことがあります。
たとえば、「故人とは親交がなかったから、遺産は少しでも多くほしい」と考える代襲相続人に対して、故人の介護をしていた他の相続人が「なぜ何もしなかった人が多くもらえるのか」と反発し、対立が深まってしまうといったケースです。
3. 不動産の評価や分割方法で揉める
相続財産に不動産が含まれる場合、さらにトラブルが複雑になります。特に代襲相続人がいる場合は、「換価分割」という方法が選択されることが多くなります。
換価分割とは、相続財産である不動産を売却し、その売却代金を相続人で分ける方法です。
しかし、この換価分割を行うには、いくつかのステップを順に進めていく必要があります。
- 相続人の確定と遺産の調査・評価 →先ほどお話しした通り、代襲相続人がいると、このステップで手間取ることが多いです。
- 遺産分割協議の実施 →不動産を売却すること、そして売却代金をどのように分けるかについて、相続人全員の合意が必要です。
- 不動産の名義変更(相続登記) →不動産を売却するためには、被相続人から相続人へ名義を変更する必要があります。
- 売却活動 →不動産会社に仲介を依頼し、買い手を見つけます。売却価格や時期について、相続人全員の合意が必要となります。
- 売却代金の分配 →売却で得た代金を、遺産分割協議で合意した割合で相続人全員に分配します。
これらのステップを、相続人全員で協力して進めるのは簡単なことではありません。特に、代襲相続人が換価分割に反対した場合や、不動産の評価額で意見が対立した場合、協議は難航します。
代襲相続のトラブル解決は弁護士にご相談を
代襲相続は、単に法律上の手続きだけでなく、親族間の人間関係や感情が絡み合うデリケートな問題です。
「このくらいなら自分たちで解決できるだろう」と安易に考えていると、話し合いがこじれてしまい、最悪の場合、家庭裁判所の調停や審判に移行せざるを得なくなることもあります。
そうならないためにも、代襲相続が発生した際は、なるべく早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に依頼することで、以下のようなメリットがあります。
1. 複雑な相続人調査や遺産調査をすべて任せられる
弁護士は、戸籍の取り寄せや相続人の確定といった、煩雑な手続きをすべて代行できます。ご自身で時間と労力をかける必要がなくなるため、精神的な負担が大幅に軽減されます。
2. 公平かつ円滑な遺産分割協議をサポート
代襲相続人を含めた、相続人全員との交渉を弁護士が代理します。法律の専門家が間に入ることで、感情的な対立を避け、冷静な話し合いを進めることができます。
また、不動産の評価や換価分割の手続きについても、専門的な視点からアドバイスを提供し、すべての相続人が納得できる解決策を導き出します。
3. 複雑な手続きやトラブルへの迅速な対応
万が一、話し合いで合意に至らない場合でも、弁護士は家庭裁判所での調停や審判にも対応できます。相続問題に精通した弁護士であれば、法的な手続きをスムーズに進め、トラブルの長期化を防ぐことができます。
まとめ
代襲相続は、相続関係を複雑にし、思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。
相続人調査から、遺産分割協議、不動産の換価分割まで、専門的な知識と経験が求められる場面が多々あります。
「うちのケースは代襲相続が発生しているかも」「親族間の関係がこじれてしまいそうで不安」
もし、あなたがこのようなお悩みを抱えているなら、一人で抱え込まず、まずは一度弁護士にご相談ください。
当事務所では、初回相談を[無料/低額]で承っております。お話をじっくり伺い、最適な解決策をご提案させていただきます。
相続は、故人から受け継ぐ大切な財産です。円満な相続を実現できるよう、私たちが全力でサポートいたします。
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